THE LAUGHING WOLF

便所のお供に、是非。

小人閑居為不善

実家から東京に戻って来て一週間強。
未だ私はニートのまま。極力金を使わないよう金平糖と水で飢えを凌いでいるが、収入が無いので完全にジリ貧である。


てかもうマジで人としてヤバイ。
肥やしを生産するぐらいしか地球の役に立ってない。二酸化炭素を吐く行為までもが地球に申し訳なく思えてくる。そのくらい終わっている。


起きてカップラーメン啜りつつニコ動見てタバコ吸って寝る、みたいな生活を続けてるわけだが、私が言うのも何だけどニートって凄いなと犇々思う。どれだけ神経が太ければこの生活を続けられるんだ。私は自分が嫌で仕方なくて死にそうになっているというのに。その神経の太さを何か他のことに活かせないのか。


恐らくバイトさえ始めれば多少精神状態は安定すると思うのだが、バイト探しも難航していて、というか今までコネ以外でバイト始めたことが無いから変に身構えてしまって却々一歩を踏み出せずにいる。前のバイト先の居心地が良過ぎたことも一因として考えられる。


それ以外にも私の精神を蝕む外的要因は多数ありまして。


まずは新居。一目惚れした物件だったが木造建築を完全に舐めていた。

夜寝る時間になると両隣の部屋からテレビの音と鼾のサンドイッチ、挙句上の階の住人の足音とドアを閉める音が響き渡りまるで眠れない。放屁するのも躊躇する程に音が筒抜け。住めば都と言うが、果たして私はこの騒音に慣れることが出来るのだろうか。

またカーテンを開ければ隣家と完全に向かい合わせで、よくマキシマムザ亮君みたいな隣人と顔を合わせ気まずい思いをする。

如何に京都の住処の住み心地が良かったか思い知らされた。京都に戻るつもりは毛頭無いが、矢張りあそこは住み良い街だ。



そして人の多さ。つい最近までクソ田舎の実家に篭っていた所為もあると思うが、街に繰り出せば押し寄せてくる人の波に、私は初めて「人酔い」と云うものを経験した。

甚だしい人混みのことを中国語で「人山人海」と言うらしい。まるで無機質な人間の集まりがそれこそ山や海のように猛威を振るってくる感覚を、私は身を以て味わった。


けれども、東京は面白い。
人が多い分変な輩とバンバン擦れ違うし、特に私の住んでいる地域はより色の濃い街であるから、思わず眼が留まる店も多い。何処まで歩いても人がいるし、高い建物がある。息の休まる場所以外なら何でも揃っている。



東京は頭が狂いそうになる所だ。
私は東京に何をしに来たのか。
クソボケ共の鼻を明かす為に来たのではないのか。
その前に、私は果たして東京に克つことが出来るのか。


猫の盛る声が聞こえる。春真っ盛りだなぁ