THE LAUGHING WOLF

便所のお供に、是非。

今更『ファイト・クラブ』を観た

Amazonプライム・ビデオで無料で観られた。

 

映画を観るからには巻き戻しや途中のトイレなどは一切排除し、体調や集中力が万全な状態で臨みたいと機を待っていたらかなり間が空いてしまった。

 

ファイト・クラブは主要人物が少なく、外国人の顔と名前を覚えられない私には大変観やすかった。

 

 

 

 

以下140分観終えての感想。

  

 

 

 

 暴力で満ち満ちた場面と、それを牽引するブラッド・ピット演ずるタイラー・ダーデン。映画を見ている自分自身が奥底に抱える破壊衝動を無意識のうちにタイラーに投影し、主人公のようにタイラーに惹き込まれていった。ブラピが格好良すぎるのもあるんだけど。

 

誰でも大なり小なり物事を無茶苦茶にしたくなる衝動があると思う。それを理性で押さえつけて日々過ごしているわけで、タイラーとの出会いでそれらを徐々に解放する主人公に清々しさを覚えたし、若干の憧憬の念も抱いた。

 

 

 

なーんて考えながら見ていたら、物語終盤のタイラーの正体が明かされる場面。

衝撃と共に、自分の内面を全て見透かされていたかのような展開に気恥ずかしさもあった。

 

てことは、あのただただ破壊衝動をぶちまけたかのようなそれまでの場面も、緻密に伏線を張り巡らせて作られていたのかと、ダブルで衝撃。

チラチラ見えてたサブリミナルの映像にはそういう意味があったのか……だから主人公の名前が出てこないのか……とか。

エンディング後、直ぐにもう一度見返したのは言うまでもない。

 

 

オープニングが格好良い。初見の時から釘付けになる格好良さだったけど、観終えて反芻するとこの映画の世界観を濃縮して映出していると改めて感じる。

 

用心棒、ゴッドファーザーと古い映画を続けて観ていたのでCGの多用やテンポの良さに近代感と親近感を覚えた。とは言ってももう20年前の映画なんだけど。

 

目を覆いたくなる場面が多かったが、ファイト・クラブのきっかけとなる、主人公がタイラーを殴るシーンは思わず「うわぁっ」と情けない声を出してしまった。どう見ても本当に殴ってるようにしか見えなかったから。調べてみたら本当に殴ってたのね…

 

マーラ・シンガー役のヘレナ・ボナム=カーター、現代で言うところの「メンヘラ女」の鬱陶しさと、そういう女に限って妙に醸し出してくる妖艶さを見事に体現していた。調べたら私が過去に見た数少ない映画『英国王のスピーチ』の王妃役だったのか……

 

現時点で私はこの映画はバッドエンドだと考えている。私の中でバッドエンドの傑作と言えば漫画版『デビルマン』一強だったが、この映画もそのうちの一つだろう。

 

 

ブラピかっこよすぎるわ。

何回も観たくなる映画だった。

 

次は『ゴッドファーザー2』を観る予定。