THE LAUGHING WOLF

便所のお供に、是非。

祭の提灯事情

現在京都は祇園祭の真っ只中で、昼間っから老若男女入り交じり路上で揉みくちゃになっていて、烏丸御池以南は自転車での通行は侭ならない状態。

で、祇園祭に限らず祭の際には献灯として民家の前に提灯が掲げられているのをよく目にするのだけれど、この提灯に書かれている文字が禍々しいなぁと、京都に来てからずっと思っていた。


と云うわけで祇園祭を楽しむのも程々に、提灯の写真を何枚か撮ってきた。


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これはよく見る「献灯」の文字。
古い字体の「獻燈」を更にアレンジしている(主に「獻」の字)。「獻」の字の禍々しいこと。

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これも上と同じタイプ。
若干線が細い。
「獻」の字が如何にデフォルメされているかが分かる。

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「御神灯」の文字。
全ての文字が微妙に変化している。
「御」の真ん中が「缶」になっているものは比較的よく見かける。
「神」の字は示偏が旧字タイプで、さらに右側の「申」の部分も「叟」の上部の様な形に変わっている。この字体は神社の碑などで見かけることがある。
最後の「燈」は右上が「艸」の様な形になっている。

ちなみにこの「御神灯」提灯、「神」の字が普通タイプなものも見かけられた。

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これも「御神灯」と書かれている。
写真が少々見にくいが、先のものと比べ相当アレンジされている。
「神」の字は一瞬なんと書かれてあるのか分からない程。「叟」の上部の真ん中の線がへにょって、左右の「Eヨ」が上下に配置されている。こんな「神」の字は初めて見た。
「燈」の字は火が下にきている。この形は割と他の提灯でも使われている。

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「奉献(奉獻)」の字。
もう「獻」の字が原型をとどめてない。何で「犬」が「上+久」になるんだよ。
デフォルメ具合が旧愛媛ナンバー並である。

※参考:旧愛媛ナンバー
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とまぁ5枚程提灯を紹介したが、上京区の町屋に行くとクソでかいサイズの提灯により禍々しくでかでかと「奉献」だの「献灯」の文字が書かれていて、なんか呪いの儀式でもやるんかと言わんばかりの異様な雰囲気を漂わせている。今紹介した提灯は全て標準的なサイズなのでそこまでの仰々しさは感じさせないが、京の祭に参加する際は提灯に目を向けてみても面白いかもしれない