THE LAUGHING WOLF

便所のお供に、是非。

22日前の出来事

先月末から今月の頭、芝居の公演の為に東京まで行っとったんだけど、芝居だけして京都戻るのもアレだもんで千秋楽の次の日丸一日東京で遊ぶ事にしてたんすよ。遊ぶあてもないのに。

でまぁ芝居が終わって一夜明かして、さぁどうやって東京で一日潰そうかとなりまして、取り敢えずわたくしの大好きなブランドであるcuneの本店に行くべく原宿に行く事にしたんす。東京行ったら必ずcuneの原宿店に行ってる。これはまじで。

山手線に揺られて原宿に到着。

あーここでホリプロにでもスカウトされりゃ人生苦労しねえのになー誰かスカウトしてくんねえかなーとか思いながら駅を出たら五分も経たんうちに



「すみません、芸能関係のお仕事とか興味ないですか?」



と、若い兄ちゃんに声をかけられた。


これはアレだ、詐欺とかのやつだ、適当にあしらわなあかんやつだ、とさっきまでと真逆の姿勢に切り替えたわたくし。取り敢えずNOの意思を明確に相手に伝えなければ。


「アァ、ダイジョブス....キョウミ..ナイス....」


尋常じゃないキョドリっぷりを発揮するわたくし。兄ちゃんはお構いなしに喋り続ける。

「僕◯◯って云う事務所の者なんですが、今は弱小ですけどもタレント自身が自分をプロデュースする…」

「アー…」

「やる気のある人を探してるんですよ!」

「チョ...ウナギクイニイクヨテイガアルンデ...」(二時間後の予定)

怪しいなぁ、ホリプロだったら良かったのになぁ、といろんな思いが頭を駆け巡る。そこに兄ちゃんから追い討ちが。


「宜しかったら何処かでお話しできませんかね?」


!!

これ詐欺のやつや!!テレビとかでよく見るやつや!!絶対ついてったらあかんやつや!!ちゃんと断らな!!!


「ァダイス!!」(あ、大丈夫ですの意)


「普段は何をされてるんですか?」



なんかもう心折れて、興味無いってさっき思い切り言ってたのに、自分は大学生で、芝居の為に東京に来た事をつらつら彼に話した。

そしたらなんかそこで話に花が咲いてしまって、スカウトマンの彼もタレントであること、彼はまだ19歳であること、音楽もやってること、やっぱ芸能の世界はコネだということ、スタッフさんに気に入られなあかんよねということ、うつみ宮土理を全く見なくなったということ、などなどいろんな事を話し話され、気付いたら原宿の路上で二十分程立ち話をしていて、最後

「お互いBIGになろうぜ!!」

と言って別れた。


なんだったんだ今の時間は、と思いながらcune原宿店を目指した。途中姉ちゃんにヘアモデルしませんかと声をかけられたが「鰻食いに行くんで」と今度ははっきり意思を伝え、cuneに着いた。

相変わらず狭い店内に、面白い商品が並んでいる。

一番気に入ったのは湯飲み。一見、色んな魚偏の漢字が書かれている寿司屋の湯飲みっぽかったけどよく見たら全部「鰯」って書かれてた。欲しかったけど買ったら鰻食えなくなるから結果的に素見した形になった。

鰻は美味しかった。

東京ってこわいけど、面白いところだな、とおもったよ。オカモトくん。君の事は忘れないよ