盲聾啞
私が苗字狂であることは当然家族も知っており、実家を離れた今も定期的に家族から珍名を見掛けたと云う旨のメールが届く。
先日父親から「瞽女迫(ゴゼサコ)さんがテレビに出ていた」とメールが来た。
御存知の方は御存知であろうが「瞽女」は盲人の女芸者のことであり、「瞽」の字はめしい、めくらなどと読み「盲」と通ずる。これに伴いマスコミでは放送禁止用語に指定されていたりする。
こんな言葉を含む苗字があるのかと思い調べてみたところ、確かに実在するらしい。地名にも無く、どうやってこの苗字が生まれたのかは全くの謎。
この苗字を見て直ぐに私が連想したのは「聾田(ツンボダ、ツンダ)」と云う苗字。こちらは瞽女迫よりも直截的であり、由来は分からず、人名力さんの日本姓氏語源辞典にも載っていない。一体何故こんな苗字が生まれたのか。
調べてみたら「目倉(メクラ)」も実在する様子。
オシと読む苗字は多数あるので割愛する。
上に挙げた3種の苗字は全ての世帯数を足しても一桁と云う稀少姓ばかりなので、どうか改姓されないことを祈るばかり。
漢字の話。
盲、聾、啞の漢字は全て形声文字だが、会意も伴っている。
盲=目+亡
一番わかり易い。
聾=耳+龍
龍が声符でロウと読む時はうやむや、あいまい等の意味を持つことがある。
「朧」が良い例。
因って聾は耳がぼんやりして聞こえない、ということ。
龍と云う存在が伝説上のものだからか?
唖=口+亜
「亜」と云う漢字の由来は諸説ある。姿勢の歪んだ人の象形、古代人の住居や墓の土台の象形など。
土台は支えるもの=上につっかえるものと云うことで亜=つっかえるの意味があり、喉がつっかえるから「唖」になった。「悪」も似たような成り立ち。
めくら、つんぼ、おしの語源も序でに調べてみたが分からなかった。どうやら相当歴史が古いらしく、また言葉自体が忌避されヒットも少ない。めくらだけは漢字も含めて何となく分かるが。
あんまり深く触れるような話題では無いのでこの辺で