東方苗字考を掘り下げてみた 序章
ニコニコ動画のタグに「東方苗字考」と云うものがある。
このタグがついている動画は概して「東方projectのキャラクターの苗字が実在するのか」と云うコンセプトで作られており、大百科の記事も存在する。
私も東方が好きだが、東方歴よりも苗字歴の方が断然長い。苗字オタクの誇りをかけ、もっと東方に纏わる苗字を掘り下げて調べてみることにした。
ここではキャラクターに限らず、とことんまで苗字にありそうな東方の要素を調べていく。東方キャラの苗字を調べただけで、東方苗字考を終わらせてはならない。
調査では相変わらずsuzakiさんのホームページ、人名力さんの日本姓氏語源辞典にお世話になります。
<初めに>
「東方」と云う苗字は約470世帯、読みはトウホウ、ヒガシカタ、アガタなど多数確認できる。長野県、愛知県、石川県などに存在。最もメジャーな読みはトウホウか?由来としては恐らくまんま「東の方」と邪推。
「東方田(トウホウダ)」も約30世帯存在。広島県で確認できる。
suzakiさんのサイトでは「東方之(トウホウジ)」も1世帯ヒットするが、詳細不明なので実在するかは眉唾。
「東方」は漢姓にも存在し、中国神話の帝王であった伏羲の子孫と言われている。
東方聞桜と云う女優が『紅楼夢』と云うテレビドラマに出演しているのは、果たして偶然と呼べるのか。
「西方」は約1400世帯。読みはサイホウ、ニシカタ、ニシガタなど多数。神奈川県、新潟県、北海道などに存在し、由来も様々。
序でに「南方」は約790世帯、「北方」は約540世帯。
更に序でに方位ごとの世帯数。
「東」約38000世帯。
「西」約23000世帯。
「南」約26000世帯。
「北」約5500世帯。
「東西」19世帯。
「東南」51世帯。
「東北」9世帯。
「西東」約300世帯。
「西北」約70世帯。
「南東」29世帯。
「南西」13世帯。
「南北」34世帯。
「北東」約130世帯。
「北西」約430世帯。
「北南」11世帯。
西南のみ存在せず。
方位の組み合わせの二文字苗字は、世帯数の多い少ないの規則性が見当たらない。
鬼門と言われる北東が意外と多い。
東を表す「青竜(青龍)」、南を表す「朱雀」は苗字として存在するが、
西を表す「白虎」、北を表す「玄武」は存在しない。
前に書いた記事も参照されたし。
話を戻して、
「博麗」「霧雨」はともに実在せず。
「雨霧(アマギリ)」は10世帯存在。香川県に確認できる。
霊夢関連の苗字を思いつく限り。
「神社」約80世帯。読みはカンジャ、ジンジャ。岡山県と京都府で確認できる。
カンナギ=巫女では無いが、一応巫女関連として
「巫部(カンナギベ)」1世帯。福岡県。
「御巫(ミカナギ、カンナギ)」5世帯。伊勢神宮の神主。群馬県、東京都。
「腋」の字のつく苗字は二種確認。
「山腋(ヤマワキ)」「西腋(ニシワキ)」それぞれ19世帯、5世帯。
「夢想」スペルカードの夢想天生、夢想封印より。1世帯ヒットしたが、芸名の可能性が高い。
「紅白」「一位」「貧乏」「結界」とかも調べてみたけど無かった。
「二位」なら約50世帯。「金持」なら約100世帯。
魔理沙関連。
「高八卦(タカハッケ)」八卦炉から関連して。18世帯。岩手県に存在し、岩手県にある地名が由来。
「茸平(タケヒラ)」「香茸(コウタケ)」「茸谷(ナバタニ)」
「岩茸(イワコケ)」「茸木(ナバキ)」
キノコ関連。どれも世帯数は一桁。
「茸」を含む苗字はこれで全て。「茸」の読み方多スギィ!
九州、四国、中国地方で茸をナバと呼ぶ地域があるらしい(茸谷は広島県で確認できるのでドンピシャ)。
茸をコケと読むのが面白いなぁ。
「香茸」は恐らく「神武」「高武」等の異形?(コウタケと云う読みの苗字は福岡県に集中している)
「泥棒」「魔法」なども調べてみたが無かった。
「魔」のつく苗字で実在が確定しているのは
「破魔(ハマ)」「降魔(ゴウマ)」の2種(破魔27世帯、降魔3世帯)。
降魔は仏教用語が由来。
神主関連。
「太田」約77000世帯。日本で44番目に多い苗字。
「百度(ズンド、ヒャクドetc.)」恐らく唯一「ZUN」が入る苗字。4世帯。愛知県に地名がある。
「神主」16世帯。由来は職業、島根県にある地名の両方。
「神主領(カンヌシリョウ?)」2世帯。鹿児島県。
その他。
「上海」21世帯。上海アリス幻樂団より。読みはジョウカイ、ワミ。シャンハイの読みは恐らく存在しないだろう。
幻想郷に関連して、「幻」の字を含む苗字が幾つかヒットするが全て芸名の可能性が高い。「ゲンソウ」と云う読みの苗字もヒットせず。
取り敢えず初回はこんなもんで勘弁して下さい