THE LAUGHING WOLF

便所のお供に、是非。

身長談義

ネットの海を漂っている最中、オランダ人の平均身長が頭打ちになっていると云う記事を目にした。

オランダと言えば世界一平均身長の高い国として有名である。ここ10年程オランダ人の若者の平均身長は殆ど変わっておらず、男183.8cm、女170.7cmと云う数値に留まっている。逆に言えば10年前までは伸び続けていたと云うことで、約60年前のオランダ人の平均身長は男176cm女163cmだったというからそのインフレ振りには驚きである。対して、日本人の平均身長は男171cm強、女158cm強。これは世界的に見たらそこまで低くはないのだが、矢張り欧米人の身長には圧倒されてしまう。因みに南スーダンに住むディンカ族と云う部族は平均身長195cmらしい(本当かよ)。

斯く言う私は176cmと、日本で暮らす分には大して不満の無い身長である。然し180cmと云うブランドへの憧憬は最早コンプレックスと呼べる程に強い。と云うのも、私は中学卒業時点でほぼこの身長であった為、高校で180cmに達することを確信していた。然しそれからと言うもの身長はほぼ伸びず、幼馴染みや弟にも背を抜かれ、剰え弟からチビ呼ばわりされる事態になってしまった。

身長は生物の優劣を決める原始的な指標の一つであり、長身に憧憬を抱くのは至極当然のことである。然し今でこそマシにはなったが、高校当時の私の身長に対するコンプレックスは相当なものであった。コンプレックスを拗らせた挙句、周りの長身の友人に親兄弟の身長や日々の生活を質問し、その相関関係を分析したりもした。

 

巷説では背を伸ばす要因として様々なものが挙げられている。牛乳を飲む、22~26時までに眠る、ジャンプする、過度な筋トレを控える、等々、迷信めいたものから裏付けのあるものまで様々である。

然し私の弟(185cm)は中学二年生の時点で180cmを超えていたものの、これらの一般論を全て覆す生活をしていた。日常的な偏食、体を動かさない、睡眠は深夜2時以降と不健康極まりない生活を成長期に送っていたにも拘らず、彼の身長はどんどん伸びていった。対して私は中学時代牛乳を毎日1リットル以上、23時までには就寝と云う生活をしていたのに、身長は伸び悩んだ(横には伸びたが)。

無論遺伝は長身になる前提として必須である。斯く言う私の父は181cmで、周りの長身の友人らも大凡父親が180cm以上、若しくは母親が165cm以上であった。とある後輩(180cm)は、父が160cmで母が150cmだが曽祖父が195cmあったと言っており、血の薄さはどうあれ遺伝は欠かせない要素であるらしい。だが同じ父親の遺伝子を持っている筈なのに、私と弟の間に生ずる身長差には首を傾げるものがあった。


私の弟の違いは、高校時代の長身の友人らとの話と照らし合わせて明らかになった。睡眠の量。これが決定的な差であった。

 彼らはみな昼寝の愛好家であった。確かに弟も寝る時間こそ遅いものの一旦寝ると起こすまで目を覚まさないし、コイツ死ぬんじゃないかと思う程昼寝をしていた。周りの長身の友人らも、異口同音に昼寝を嗜んでいる旨を唱えた。

私は高校に入るまで昼寝をほぼしたことがなかった。大学の単位をほぼ取り終えて講義も減った去年はこれでもかというほど昼寝をしていたが、なるほど、高校から止まっていた身長が去年1cm伸びたのはこの影響かもしれない。


因みに北欧の人達は魚中心の食生活に加え、水もミネラル豊富な硬水を飲用している為平均身長が高くなると云う。専ら軟水を飲んでいる我々日本人との差が出る訳だ。


私の父は20歳を越えてからも背が3cm伸びたそうなので、私も諦めずに寝まくろうと思う