THE LAUGHING WOLF

便所のお供に、是非。

喫煙者の憂鬱

私は喫煙者である。

 

大学一回生の終わり頃に当時付き合っていた一歳年上の彼女に振られ、拒食症になるぐらい心を病んで、八ヶ月程引きずった挙句二十歳の秋口に自棄になって煙草に手を出したのが切っ掛けで、以来二年以上煙草を吸い続けている。比較的ライトスモーカーで、一日に吸う本数は6~7本程度である。

 

実家に住んでいた頃は両親から嫌煙の英才教育を施されていた私であったので、真逆己が煙を喫む身になるとは思いもしなかった。それだけ失恋と云うものは人を落魄させるのだ。

 

元々父は喫煙者であったが母と結婚する際に煙草をやめたらしく、父曰く煙草は「やめようと思えばやめられる」とのこと。

私が喫煙者に成り果てた事を知った時、両親は大層落胆していた。

然し落ち込みながらも、父はちょっと嬉しそうに、自分が煙草を吸っていた頃の思い出を私に語ってくれた。その時両親には申し訳ないけど、喫煙者になって良かったなと思ってしまった。

 

非喫煙者の知人が煙草に手を出そうとした時私は絶対に止めるが、私自身は煙草を吸い始めたことを後悔したことは今の処無い。強いて言えば、カラオケで今まで歌えていた曲が歌えなくなった時に煙草をやめたくなるが、それも微々たるものである。

煙草は害悪であるし、煙草を肯定する気は一切無い。元々煙草が嫌いだったから、嫌煙家の気持ちは我が身の様に分かる。

けれども、煙草を吸い始めて得られたものは確実にある。喫煙者になってからコミュニケーションの取り方が変わったし、喫煙者の知り合いが出来た時は「あ、あなたも肩身の狭い人ですね」と妙な連帯感で以って仲良くなることが出来る。喫煙所で出会い、喫煙所で別れると云う刹那的なコミュニケーションにも何かしらの価値があると思う。

 

私の尊敬する父と稲さんがどちらも27歳で禁煙しているので私もその歳になったらやめることを心に決めている。それまでは心ゆくまで煙を堪能しようと思う。ただもう値上がりは勘弁して欲しいマジで