THE LAUGHING WOLF

便所のお供に、是非。

難読の神社名

難読の苗字って

一尺八寸(カマツカ)や四月一日(ワタヌキ)

みたいに字は簡単で頓智のような読みをするものが多くて、字面を見て読み方の検討がつかない(見たこともない漢字を使う)ような苗字はあまりない。強いて挙げるなら

䯨(オオエ)帘(サカバヤシ)灇(オチアイ)

みたいな、パソコンでの変換も儘ならない外字を用いた一字姓が挙げられる。

そういう意味で苗字の中での「難読」は予想の範疇を出ないのが殆どであるが、地名、殊更神社の名前はこちらの予想を遥かに超えた難読なものが存在する。

個人的に好きな難読の神社名を幾つか挙げてみる。

 

 

神社(千葉県鴨川市)

 

神社(埼玉県児玉郡美里町)

 

神社(大阪府大阪市西区立売堀)

 

 

もう読む気力も湧いてこない。

一番上はモウケ神社。この漢字は訓読みで「タクワえる」と読むそうなので何となくモウケとの関連付けができるが、普通は先頭に「神」の字をつけて「カンダチ」と云う熟語で使われるらしい。この字をGoogle検索にかけたらいきなり「痔は手術以外で治すことが出来る」って宣伝されたよ。

次はミカ神社。一文字目の旁の瓦から類推すると甕(ミカ)と同義だと考えられる。二文字目はパソコンでの変換が不可能。

最後はサムハラ神社。この四文字は最早漢字ですらなく、神字と呼ばれるものである。神字とは仏教以外の護符や呪符、経典名などに限り用いられる字で、このサムハラはおまじないの一種なのである。1番目と3番目が同じ字なのとか2番目の字の旁が微妙に「台」じゃないのとかもう色々と奇妙。Wikipediaにサムハラ神社の記事があるので、興味があったら是非読んで頂きたい。

地名も小字などを詳細に調べると外字を用いた地名が割と出てくるのだが、相次ぐ合併により消滅し、読みが分からないものも少なくない。この辺りは11年前から存在する2ちゃんねるのパートスレ「稀少地名漢字を語ろう」に具に記されている。地名も苗字も少ないものは保護されるべきだと自分は思うのだが、却々に世知辛い世の中である。


苗字の種別に「寺社姓」というものがある程に神社や寺は独特の漢字文化を持っていて、上記以外にもなんでこんなんになったんみたいな名前の神社は多く存在する。神社の石碑等も漢字好きには堪らないオブジェクトの一つであるがそれはまたの機会に。しかしまぁ神社は苗字と違って堂々と所在地を載っけられるからいいやね

 

 

今昔文字鏡さんのフォントを使わせて頂きました

MojikyoInstituteBannerMini http://www.mojikyo.org/