THE LAUGHING WOLF

便所のお供に、是非。

十六夜さんは実在するのか

苗字は皇族でもない限り誰でも持っているものなので、初対面の人と話す時にも話題の種として活躍してくれる。

 

それはネット上でも例外ではなく、2ちゃんねるのまとめサイトを徘徊していると定期的に苗字に関するスレッドがまとめられているのが目に入る。

 

「お前らが思う一番かっこいい苗字って何よ?」

「お前らが実際に会った珍しい苗字あげてけ」

 

ざっとこんなタイトルのスレッドが多くまとめられているが、読んでいると高確率で十六夜(イザヨイ)姓が話題に上がる。かっこいい苗字スレの場合はほぼ間違いなく上がる。

 

十六夜姓が話題に上がる度に自分はもどかしい気持ちになる。と云うのも、十六夜と云う苗字を電話帳で発見して、大手苗字サイトであるsuzaki氏のホームページに投稿したのは自分であり、そして電話帳で見つけたものの実在すると云う確証が無いからだ。suzaki氏のHPの掲示板の過去ログを7年ほど遡ると、自分が「青いポスト」のハンドルネームで十六夜姓を新苗字として投稿した履歴が残っている(要会員登録)。

 

当時中学生だった自分は某県某市のハローページを図書館で捲っていて、十六夜姓を見つけた時に「こんな漫画みたいな苗字があるんか」と小躍りしたものだが、ハローページには芸名を登録することも可能であり、suzaki氏のホームページには芸名も多数登録されているのである(例:「笑福亭」「一龍斎」「篆舎運」等)。芸名は載せない方針の「苗字の百貨店」様には十六夜姓は登録されておらず、「本名かどうか疑わしい」のリストに載っている。余談だが苗字の百貨店様に「財布屋」姓が載っていたのには吃驚した。

 

別段suzaki氏は電話帳で確認できたものを載せる方針である為、氏のサイトを利用する際は(世帯数があまりに少なかったりする場合)芸名乃至屋号である可能性もあることを認識しておかねばならない。無論、1世帯でも実在する姓は沢山あるのだが。

 

正味な話十六夜姓に限らず、こういった稀少姓は本人の免許証などで確認が取れない限り「実在する」と声高に叫ぶべきではないと思う。何故ならまだ、それを証明できる本人、その知人などが一切現れていないのだから。

 

苗字を調べていると、よく「悪魔の証明」という言葉が頭に浮かぶ。ある特定の苗字が実在することを証明するのは簡単だが、存在しないことを証明するのはほぼ不可能である。過去苗字の悉皆調査が為されたことはないし、今後も行われることはないだろう。

 

今やGoogle検索に「十六夜 苗字」と入力すると「十六夜 苗字 一世帯」とまで補完されるようになってしまった。所在が何処か分かっているので暇な時に再び電話帳で確認しようと思うが、取り敢えず十六夜さん、本当にいるなら会って下さいな